消防設備士4類の勉強法を徹底解説!未経験からの独学でも合格できる?

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はじめに:なぜ人気?消防設備士「第4類」から挑戦するメリット


消防設備士の資格取得を目指す際、多くの人が最初の目標として挙げるのが「第4類(乙種4類・甲種4類)」です。なぜなら、第4類が対象とする自動火災報知設備やガス漏れ火災警報設備は、ほとんどの建物に設置されており、点検・工事の需要が非常に高いからです。

しかし、いざ勉強を始めようとしても「何から手をつければいいの?」「独学でも本当に合格できる?」といった不安を感じる方も多いでしょう。

この記事では、消防設備士4類の試験概要から、未経験者が独学で合格を目指すための具体的な勉強法、参考書の選び方、そして多くの受験者がつまずきがちな実技試験のコツまで、徹底的に解説します。


1. そもそも消防設備士4類とは?

消防設備士第4類は、主に以下の「警報設備」に関する工事・整備・点検を行うための国家資格です。


  • 自動火災報知設備
  • ガス漏れ火災警報設備
  • 消防機関へ通報する火災報-知設備
  • 非常警報設備(警鐘、放送設備など)


甲種第4類はこれらの設備の「工事・整備・点検」すべてを行え、乙種第4類は「整備・点検」を行えます。乙種は受験資格がないため、未経験者はまず乙種4類から挑戦するのが一般的です。



2. 試験の概要と難易度

試験内容

試験は、マークシート形式の「筆記試験」と、記述式の「実技試験」で構成されます。どちらも同日に行われ、両方の基準を満たすことで合格となります。


筆記試験

大きく分けて3つの科目から出題されます。


消防関係法令

いわゆる法律の問題です。「消防法」や関連する政令、条例などから、消防設備の設置基準や点検報告のルールといった内容が問われます。暗記が中心となる科目ですが、出題される条文はある程度パターン化されているため、過去問演習が非常に効果的です。


基礎的知識(電気)

第4類では、電気に関する基礎知識が問われます。オームの法則といった基本的な計算問題から、電気回路、計測器、材料などに関する知識が必要です。文系出身の方や電気に馴染みのない方には難関に感じられるかもしれませんが、多くは高校物理レベルの基本的な内容です。深入りしすぎず、試験で問われる範囲に絞って学習することが合格への近道です。


構造・機能及び工事・整備の方法(規格)

この科目が試験の核となります。第4類の対象である自動火災報知設備などを構成する感知器、受信機、配線といった各部分の構造や機能、設置や点検に関する技術上の規格について、細かい知識が問われます。機器の写真やイラストと関連付けながら覚えることが重要です。


実技試験

「実技」という名称ですが、実際に工具などを使うわけではなく、記述式で解答するペーパーテストです。


鑑別等

消防設備の機器や部品の写真・イラストを見て、その名称、用途、規格などを記述形式で答えます。例えば、熱感知器の写真を見て「定温式スポット型感知器」と答えるだけでなく、「どのような場所に適しているか」などが問われることもあります。参考書の写真を隅々まで見て、機器の見た目と名前、特徴を一致させることが対策の鍵です。


製図(甲種のみ)

甲種を受験する場合に出題されます。建物の平面図に、定められた図記号(シンボル)を使って感知器や受信機などを正しく配置したり、警報設備の系統図(配線図)を読み取ったり、作図したりする問題です。まずは図記号を完全に覚えることが第一歩となります。



3. 独学でも合格は可能?メリット・デメリット

結論から言うと、独学での合格は十分に可能です。毎年多くの方が独学で合格しています。ただし、成功するためにはメリットとデメリットをしっかり理解しておくことが重要です。


メリット


費用を最小限に抑えられる

独学の最大のメリットです。必要なのは参考書と問題集の購入費(数千円程度)と受験料のみ。高額な講習会や通信講座(数万円〜)に比べ、圧倒的にコストを抑えることができます。


自分のペースで学習を進められる

仕事や学業で忙しい方でも、通勤中の電車内、深夜、休日など、自分の都合の良い時間に学習を進められます。決まった時間に授業を受ける必要がないため、スケジュールを自由に組めるのが魅力です。


デメリット


学習計画とモチベーションの維持が大変

指導者がいないため、「いつまでに何をやるか」という学習計画を全て自分で立て、実行する必要があります。「今日は疲れたから…」と先延ばしにしやすく、モチベーションを保つ強い意志が求められます。


疑問点をすぐに解決できない

電気の計算問題や、法令の細かい解釈でつまずいた際、気軽に質問できる相手がいません。一つの疑問を解決するために何時間もかかってしまい、学習が非効率になる可能性があります。


実技試験のイメージが掴みにくい

特に鑑別問題は、テキストの写真だけでは実際の機器の大きさや質感、設置状況がイメージしにくいことがあります。また、製図問題の採点基準や「お作法」のような暗黙のルールも独学では分かりにくい部分です。


独学を選ぶ場合は、これらのデメリットをどう克服するかを考えながら、強い意志と計画性を持って取り組むことが合格の鍵となります。



4. 【独学者向け】効率的な勉強法ステップ

ステップ1:最適な参考書と問題集を選ぶ

まずは「教科書」となる参考書1冊と、「演習用」の過去問題集1冊を準備しましょう。多くの合格者が支持する定番のテキストから選ぶのが安心です。図やイラストが多く、解説が丁寧なものを選びましょう。


ステップ2:学習スケジュールを立てる(例:3ヶ月プラン)

合格に必要な勉強時間は、一般的に100~150時間程度と言われています。1日1~2時間の勉強を3ヶ月続けるイメージで計画を立てましょう。


  • 最初の1ヶ月:参考書を読み込み、全体像を把握。
  • 次の1ヶ月:過去問題集を繰り返し解き、苦手分野を特定・克服。
  • 最後の1ヶ月:実技試験対策と、総復習に集中。



ステップ3:筆記試験対策のコツ


法令

暗記が中心ですが、数字(設置基準など)は語呂合わせを使うなど工夫しましょう。頻出の条文は決まっているので、過去問で傾向を掴むのが重要です。


電気の基礎

未経験者が最も苦労する分野かもしれません。オームの法則など基本的な計算問題は確実に得点できるよう、中学・高校レベルの物理を復習しておくとスムーズです。深入りしすぎず、過去問で問われる範囲に絞って学習しましょう。


構造・規格

こちらも暗記が中心です。感知器の種類と特徴、受信機の機能など、設備の写真やイラストと関連付けながら覚えると記憶に残りやすくなります。


ステップ4:実技試験(鑑別・製図)の壁と乗り越え方


鑑別

多くの受験者が「最大の壁」と感じるのが鑑別です。対策は、参考書や問題集に載っている機器の写真をひたすら見て、名称と用途を覚えることに尽きます。スマートフォンのカメラで撮って、隙間時間に眺めるのも効果的です。


製図(甲種)

電気図記号を覚えることが第一歩。基本的な配線図のパターンをいくつか覚え、実際に自分で描いてみることが重要です。



5. 学習を助けるツールとリソース

独学が不安な場合は、消防試験研究センターが実施する講習会に参加したり、費用はかかりますが通信講座を利用したりするのも良い選択肢です。最近では、学習用のスマートフォンアプリなども登場しています。


まとめ:正しい対策で、合格はあなたの手に!

消防設備士4類は、計画的に正しい方法で学習すれば、未経験からでも独学で十分に合格できる資格です。この記事で紹介したステップを参考に、ぜひ合格を勝ち取ってください。あなたの努力は、将来のキャリアと社会の安全に必ず繋がります。


この記事を読んで、「自分も消防設備士の資格に挑戦してみたい!」と感じていただけたなら幸いです。資格取得という目標を達成した先に、その専門知識を活かして社会に貢献できるフィールドが広がっています。


有限会社 林明工業では、経験者はもちろん、「これから資格を取ってプロになりたい」という未経験の方も積極的に採用し、その挑戦を全力でサポートします。


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